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悪い芝居 vol.7

『東京はアイドル』 

作・演出 山崎彬



2008年10月2日〜6日(7stage)

@ART COMPLEX 1928
芝居を観よう。芝居を観よう。どうせ観るなら『悪い芝居』を観よう。
逆襲。とりあえず逆襲。攻められてるでもなく、わけもなく、逆襲。東京に逆襲。
アイドルは頭の中。頭の中は東京。アイドル追っかけ、目指すは東京。
地図はない。道標はない。知り合いはいない。頭は壊れている。
それでも分かる。肌で感じる。肌だけが感じる。頭は壊れている。
ロールプレイングゲームの達人は、勇者に自分の名を与え、魔王の棲む塔(タワー)を目指す。
勇者は名前の理由を問われ、作り照れ笑い。頭は壊れている。
アイドル追っかけ、追い越し、東京を通り過ぎる。頭は壊れている。
追い越されたアイドルは、勇者に追いつくため、作り上げられた自分の像を壊し始める。
過去を晒し、メイクを落とし、水着を脱ぎ、生まれたての姿でステージに立つ。

泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄、泄。

アイドルはクリアするまで攻略本を買わないと誓う。グラビア×クリア=ヌード??
何階建てなら塔で、いつからが今日でしょうか?
変えたいものがあって、変えたいと訴えて、伝わって、ふたりは満足。
何にも変わっていませんが、変えようもないのです。変えたいが伝わればクリアですか?
僕の頭が壊れているのは本当ですが、きっとあなたには伝わらないので話しません。

悪い芝居vs東京はアイドル

説明できないことだけが、説明されないまま、あなたの目の前で、死ぬ。どうぞご期待ください。
CAST
山崎彬 四宮章吾 大川原瑞穂 吉川莉早 藤代敬弘
西岡未央 梅田眞千子 植田順平 森本児太郎 鈴木トオル

STAFF
【作・演出】山崎彬
【舞台監督】小島聡太
【美術】丸山ともき
【大道具】津田郁久
【照明】真田貴吉
【音響】中野千弘
【衣裳】西岡未央
【映像】竹崎博人
【宣伝美術】山崎彬と植田順平
【WEB協力】シバイエンジン
【制作】中栄遊子
【企画・製作】悪い芝居
あらすじ

そこはおそらく、東京ではない町。

電車は1時間に1本。行き帰り1本。東京へ向かう電車を「行き」、東京から戻ってくる電車を「帰り」と住人達は呼んでいる。住人達は互いを傷付けないように日々いい演技をしながら、見えないものは見えないことにして平穏に暮らしている。

その町に住む時夫(トキオ)は町の清掃のアルバイトをしながら、妹・希(ノゾミ)と暮らしている。

時夫の1日は決まっている。
毎朝、音楽を聴きながら希の着替えを眺め、東に立つ塔に住みつきほとんど外出をしない誠(マコト)と愛(アイ)の家に寄ってから仕事に出かける。町の噂では、誠の頭は壊れていて愛がそれを看病しているらしい。
そんなこと構いもせず時夫は二人を慕っていて、時夫は誠に先週観た町の小劇場でやっていた芝居の感想を話し、代わりに愛から昼食の弁当をもらう。

その日も時夫は妹の着替えを音楽を聴きながら眺め、誠に小劇場演劇の感想を話し、愛から弁当を受け取り、仕事へ向かった。

仕事場へ着くと、従業員の中に見慣れぬ顔があった。
時夫の父親くらい年の離れた山辺(ヤマベ)という男だった。
時夫と同僚の丈夫(タケオ)、守助(モリスケ)は、年の離れた新人・山辺に仕事を教えながら、要領の悪い山辺の行動を面白がっていくのだが・・・。

「家の中の僕と家の外の僕が毎日毎日喧嘩をしています。」

ストーリーも起承転結も、そんなもの一切ない平和な町の日常を観察する、まるで動画サイトを見続けているような、悪い芝居。
あなたの歴史と気分と座る位置で、この町にストーリーが生まれ、町は変化しねじれてゆく。時夫はいい演技をやめ、町の家の壁を壊し始める。誠の頭は壊れている。そして町がある。ただそれだけ。
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