ART COMPLEX 1928 POWER PUSH COMPANY
POWER PUSHとは、「ART COMPLEX 1928と、ある特定の団体とが、3年間の契約を結ぶ」という企画である。
●3年間のあいだは、1年に1度、必ず本公演をART COMPLEX 1928で行う
●広告物などには必ずPOWER PUSH COMPANYとしてのロゴを打ち出す
●それらの約束と引き換えに、ART COMPLEX 1928のホール利用料を完全無料とする
以上を本企画のの大きな骨組とする。
刺激的で質の高い作品を、定期的に世界へ発信していくためにART COMPLEX 1928は場所を、そして選ばれた団体は作品を提供していく。ホールと表現者が、互いをブランディングし合いながら発信力を強めていき、この世の中に新しい価値観を創造する事を目的とする本企画。その第一弾に選ばれたカンパニーが「悪い芝居」なのだ。演劇を、ひいては世界を、信じていてるけれど、疑っている。愛しているけれど、憎んでいる。そんな彼らの生み出す作品達が、ART COMPLEX 1928諸共、世界中の既成概念を破壊してくれるだろう。
目の離せない3年が、始まる。
本作品は、その第1弾にあたる。
解説
無差別殺人の犯行予告をネットで見た少女が、犯行予告場所に喧嘩中の親友を誘い、親友は事件に遭う。
親友の死を乗り越え、悲劇の少女となった主人公は、罪の意識にかられる、という嘘をついて生きていくことを決意する。
数年後、被害者遺族の会の人間たちに、責任能力なし、無罪の決が下り出所した犯人の復習に誘われる。
少女は、無差別な個人を犯人に仕立て上げ、遺族たちに殺害させる。無差別は、自分と他人を差別していることを、嘘と罪を重ねて証明していく少女の話。
あらすじ(公演前WEB掲載文章を抜粋)
アカリは、嘘ツキだ。
これは本当のことである。
アカリは嘘ツキだ。本当だ。嘘じゃない。
アカリの半生は携帯小説みたい。
芸大5回生のアカリは喫茶店でバイトしている。
その喫茶店で、アカリは個展を開くことになる。
アカリは絵を描く作業のかたわら、高校時代を思い出す。
6年前。
美術部顧問のコモリダ先生に、アカリは生まれて初めてほめられた。
先生にほめられたくて、アカリは必死に絵を描き続けた。
アカリを美術部に誘ったのは、ミカ。親友だった。大好きだった。
先生と付き合って、6年前に殺された。そしてアカリはミカを描いた。
その絵をアカリは個展で飾る。
一生、治ることない口下手なアカリの、唯一の表現。唯一のコミュニケーション。
それが、アカリの描く絵。
絵を通し、物語は6年前と現在を行き来する。
嗚呼、過去の回想なんてデタラメかもしれない。なぜならアカリしか過去を知らない。
デタラメに転がされる現在は、もう全部デタラメ。頭っから尻尾まで、まるっきり嘘。
オオカミ少年少女しかいない、悪い芝居vol.8『嘘ツキ、号泣』
ほんとうにオオカミが来たら、誰にも言わない。
だって、わたし食い殺される方がかっこいいじゃない。
悪い芝居は、嘘ツキです。悪い芝居は、もうダメだ。
嘘ツキだらけのミステリー、収集つかない、めんどくさい。ご期待ください。